心こそ善悪の根源(平成30年5月分法話)
お釈迦様のお弟子に、
頑固で愚かで乱暴な年少の修行者がおりました。
彼はいつも情欲が盛んに起こって、
情欲を抑えることが出来ず、
そのために、悟りを得ることが出来ませんでした。
ある時、彼は考えました。
「陽根があるから色欲が起きるのだ。
これを断ち切ってしまえば、
清浄な気持ちで仏の道を修行することが出来るはずだ」
と思った彼は、斧を用意しました。
そこへ、お釈迦様が来られて言われます。
「お前は、何という愚かな男だ。
道理を解しないにも、ほどがある。
道を求めようとすれば、
先ず、惑いの根本を取り除かなければならない。
そして、次にはその心を制するのが肝要である。
心こそ善悪の根源である。
全てはこの心から生じるのだ。
お前は、陽根など断たずとも、
仏道の悟りを開くことに専念すべきである。
そうすれば、自然にその悩みもなくなるであろう」
と。
修行者は、仏の教えを聞いて、
初めて心の迷いからさめ、
仏の教えを守り、心を抑えたので、
欲情は自ら止まり、
やがて、アラカンという位につくことが出来た。
☆ ☆
仏様の教えを知り、学び、
その教えをとにかく実践することで、
自分の力ではどうにも解決出来なかった悩みが、
自然に無くなっていくと説かれています。
今の自分の悩みに、心を囚われるのでなく、
心がふらつきながらでも、
真実仏の教えをとにかく実践し続けることです。
仏道成就という大きな目標を目指すことです。
そうすることで、自然に悩みも消え失せると説かれています。
「現世利益」と説かれる我が宗ですが、
根底は、ここで説かれたお釈迦様の教えと同じです。
0コメント