自分の置かれている状況を知る(2)(平成30年1月分法話)
仏様は、この世は苦の世界であることを次のように例えてあります。
男が野原を歩いていると、
遠くにいたオオカミがその男を見つけて、駆け出してきた。
それに気づいた男は、急いで逃げ出した。
オオカミが近づいて来た時、
男は目の前に、古びた井戸を見つけた。
男は、大急ぎで井戸のツルベを頼りに井戸の中に入った。
オオカミは、井戸端まで来て中をのぞき込んでいる。
ひと心地ついた男は、井戸の下まで降りようと井戸の底を見た。
すると、井戸の底には多くの毒蛇が上の男を見ていた。
上るに登れず、降りようにも下りられず、
困り果てていると、上の方から何やら音が聞こえてきた。
男が頼りにしている井戸のツルベを鼠がかじっている音だった。
どうにもこうにもならぬ時、
男の頬に、何かが当たりだした。
それは、甘い蜜(みつ)だった。
男は、甘い蜜に夢中になってしまい、
窮地に陥っている今の自分の状況を忘れてしまっている。
この男の姿が、今の私達だとお釈迦様は言われています。
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