自分の置かれている状況を知ること(平成29年12月分法話)
仏様は「この世は苦の世界である」と言われています。
しかし今の日本に住む私達は、
「一概にはそう言えないのでは」と考える人も多いと思います。
「苦もあれば楽もある。それが人生さ」と。
今の日本の平和ゆえの言葉だと思います。
それが、幸せなことなのか、不幸なことなのか?
幸せでもあり、不幸でもあるのだと思います。
「頑張れば、報われる。楽しみもあれば、楽にもなる」と。
しかし、人生、思い通りにはいかないもの。
石川啄木も「働けど働けど、わが暮らし楽にならず」とも。
もし、うまくいってお金持ちに成ったらなったで、
夫婦間や、子供に関する家庭内の問題だとか、
美食して、健康上の問題が出てきたり、
人からお金をだまし取られないだろうか、
財産をどうして維持していけば良いか、
相続の問題だとか、
色々な苦労が出てきます。
いや、それでも「その時が楽しければ良い」という人も。
「自分は上手に『苦』に会わないようにするよ」とも?
お釈迦様は、そう言う私達を諭されます。
「六道輪廻の迷いの世界に存在する間は、
いかに福を積んだとて、
天に生まれるのが最上の結果である。
真理を悟る智慧がなければ、
結局は、地獄に堕ちるのである。
だから、
仏門に入り、清浄の志を起こし、
修行して、智慧を磨けば、
初めて、永久に苦(迷い)の世界を離れ、
悟りの世界に入ることが出来るのだ」と。
つまり、今の私達のままでは、
最終的には「地獄」行きだと言われています。
地獄に行ってもいいと言われる人もあろうかと。
私も地獄にいたのかも分かりませんが、
覚えていませんので、
ものの本によりますと、
自分の犯した罪によって行く地獄の世界が違うようです。
しかし、いずれも地獄ですから
生半可な痛み、苦しみではありません。
例えば、
舌を抜かれる地獄もあるそうで、
一度抜かれた舌は、また何度でも生え変わるそうで、
人間界の寿命以上のとてつもない程の長さ、
その痛み、苦しみを受け続けるとも。
他の地獄でも同じようです。
想像するだけで恐ろしくなります。
私達はこのような状況下に置かれていると
認識しておくことは大事だと思います。
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