お釈迦様の教えを学びましょう<2>(平成29年9月分法話)
お釈迦様の初めての説法は、
初転法輪(しょてんぽうりん)と言われます。
その最初の説法の相手は、
お釈迦様が悟りを開かれる前まで一緒に苦行をしておられた5人の修行者でした。
5人の修行者は、お釈迦様が悟りを開かれたとは知らず、
苦行で、挫折した人間だと見ておりましたので、
決して好意的にお釈迦様を迎えることはありませんでした。
しかし、悟りを開かれたお釈迦様は違っておられたことでしょう。
悟りを求めて苦行して、苦しんでおられた時とは違い、
悟りを得られて、清々しく、自信に満ち溢れておられたと思います。
5人の修行者はそれを感じ取るのに時間はかからなかったと思います。
お釈迦様の悟りの中心の教えは「縁起」です。
それを「四諦(したい)八正道(はっしょうどう)」で説かれました。
先ず、「四諦(したい)」とは、四つの真理のこと。
①苦諦(くたい )迷いの生存は「苦」であるという真理。
②集諦(じったい)欲望の尽きないことが、苦を生起させているという真理。
③滅諦(めつたい)欲望のなくなった状態が苦滅の理想の境地であるという真理。
④道諦(どうたい)苦滅に至るためには八つの正しい修行方法(八正道)に
よらなければならないという真理。
この四諦は、治病原理にも例えられます。
すなわち、
苦諦は、病状を表し、
集諦は、病気の原因を知ること。
滅諦は、回復すべき健康な状態のこと。
道諦は、良薬など、病気を治す方法のこと。
先ず私たちは、
自分が「苦しみ」の中にあることを認識することが大事です。
私たちの生活は、特に今の日本では、
決して苦しいことばかりがあるわけでなく、
楽しいことも存在します。
しかし、「因果応報」の世界に住むこと自体が「苦」であると。
何故ならば、私たちには「欲望」、悪い欲があるからだと。
悪い欲によって作るものが、苦しみになっていきます。
ですから、
欲望(悪い欲)がない世界は、苦のない世界。
すなわち理想の世界であると言われています。
その理想の世界に行くためには、
八つの正しい修行方法「八正道」を実践することが大事であると
お釈迦様は説かれています。
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