鬼子母神物語から(令和3年1月法話)
鬼子母神(きしぼじん)という名前を聞いた方もおられるかも知れませんし、初めて聞かれる方もおられると思います。
鬼子母神は、子供を食べてしまう恐ろしい夜叉(やしゃ)なのです。
そう聞くと、夜叉とは恐ろしいものだと思いますが、本来は恐ろしい存在でなく、
自分の住む国を守り、人々に安心を与える存在でした。
その様な夜叉に生まれた鬼子母神ですが、
過去世の因縁からか、人間の子供を食べたいと思うようになり、
そして、人間の子供を食べるようになりました。
すると当然のことながら、その国の人々の恐怖心は計り知れません。
そこで、色々な方策が立てられましたが、どうすることもできません。
最終的には、お釈迦様の出番が回ってきます。
☆ ☆
今回は、私たち人間の世界の外に「夜叉の世界」があると教えて頂いています。
夜叉というと鬼を連想し、恐いもののように思っていましたが、
自分が住んでいる国のことを考え、守っている方々であると。
当然、人間よりも強い方々なのでしょうが、
その様な夜叉も、自分の因縁に翻弄されてしまう、
自分ではどうしようもない事もあるのだ、ということです。
六道輪廻の世界に住む苦しみが説かれています。
そうした私達が最後にすがれるのは、お釈迦様・仏様であると、ここでも教えて頂いております。
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